合法的に別れさせ工作を行うには専門性が必要
別れさせ屋の業務に対して違法なイメージを持っている人もいるかもしれませんが、決してそういうわけではありません。法律の知識に乏しい一部の別れさせ屋が違法な別れさせ工作を行っているだけであり、多くの別れさせ屋は法律を順守して真面目に営業しています。
しかし、別れさせ工作をしていくうえで気を付けなければならない法律がいくつかあるのは確かです。
今回は、法律の知識が乏しい別れさせ屋がついつい犯してしまいがちな法律についてお話します。
法律の知識が乏しい別れさせ屋は公序良俗を犯してしまう
公序良俗というのは、一般社会の倫理や常識に明らかに反している行為や、風紀を乱す行為をしたときに、違法行為とみなす法律上の概念です。法律の知識が乏しい別れさせ屋は、この公序良俗に反してしまうことがあります。
例えば、ある別れさせ屋の元に、「旦那が浮気をしているから浮気相手と別れさせてほしい」という浮気調査、別れさせの依頼が来たとします。こういった場合、別れさせ屋は対象者となる男性の身辺調査を行い、浮気の事実を確認します。浮気が事実であった場合、対象者の男性の浮気相手についての情報を調べ上げます。そして、対象者の浮気相手の性格や好きな男性のタイプなどを考慮したうえで、異性の工作員を選定し、浮気相手のもとに送り、接近させます。
そして、浮気相手と工作員を深い仲にさせるのです。公序良俗の概念を理解している別れさせ屋の場合、この時工作員と浮気相手に肉体関係を結ばせることはありません。あくまでも肉体関係を結んだかのようなふりをして対象者の男性にその事実を知らせ、対象者と浮気相手との関係を破たんさせるやり方を取ります。
しかし、法律の知識が乏しい別れさせ屋は、ここで違法行為を犯してしまいます。対象者と浮気相手との間に本当に肉体関係を結ばせてしまうのです。
ここで本当に肉体関係を結んでしまうと、公序良俗に違反してしまうのです。
また対象者の浮気相手が既婚者である場合に工作員が肉体関係を持つと、さらに別の理由で公序良俗に反してしまう可能性が高くなります。
既婚者は結婚相手に対して貞操義務を負っているので、その貞操義務を積極的に破らせる行為というのは、違法となってしまうことがあるのです。しかし、結婚していない恋人同士の場合はこの貞操義務は存在しないので違法とはならないことがあります。
法律の知識が乏しい別れさせ屋は身辺調査で違法行為をしてしまう。
別れさせ屋による別れさせ工作を成功させるためには、対象者カップルの身辺調査は欠かせません。対象者カップルの性格や行動パターン、職業などによって別れさせ工作員が実行するプランが変わってくるからです。
しかし、対象者カップルの身辺調査をする際に、住居不法侵入や、プライバシー権などを考慮せずに別れさせ屋は違法行為をしてしまう別れさせ屋がいるのです。
まず、住居不法侵入ですが、別れさせ屋であっても対象者カップルの住居に許可なく足を踏み入れるのは違法となります。過去に、対象者が住んでいるアパートの玄関の外に侵入した別れさせ屋の行為が違法であるという判決が裁判所によって出されたことがあります。たとえ部屋の中に入っていなくても、敷地内に足を踏み入れるだけで違法になってしまうのです。
また、プライバシー権についてですが、これは比較的最近できた概念なので、明確な基準があるわけではありません。
興味深いのは、夫婦間ではお互いにプライバシーへの干渉がある程度認められているということです。例えば、許可なく結婚相手の携帯電話を盗み見るのはプライバシーの侵害には引っかかりません。(もし携帯電話にパスワードでロックがかかっており、このパスワードを解析してロックを解除しようとする行為は違法です。)
また、夫婦で共用している車内にGPSを設置する行為、自宅に盗聴器を仕掛ける行為なども違法とはみなされないことが多いです。
これらの行為は別れさせ屋がやってしまうと違法となってしまうのですが、夫婦というのはある程度お互いの私的領域を共有するものという概念の元、特別にいくつかの行為が許可されているということです。
法律の知識が乏しい別れさせ屋は通信の傍受をしてしまう
また、法律の知識が乏しい別れさせ屋は通信の傍受をしてしまうことがあります。通信の傍受というのは、他人の電話に盗聴器を仕掛けるなどして通信内容を不正に入手することです。
別れさせ屋は、対象者の浮気や不倫の事実を暴くという大義名分があったとしても、こういった行為をすることは違法となってしまいます。
何となくグレーな行為をしていると思われてしまいがちな別れさせ屋業界ですが、むしろそういったイメージを払しょくするために法律について調べ上げて、違法行為を犯さないように十分注意している別れさせ屋は多いです。別れさせ工作自体は違法ではないので、お悩みの方はぜひ別れさせ屋に相談してみてはいかがでしょうか。